AI(人工知能)の能力レベル4段階
AI・人工知能というと、「周囲の温度を見て自動で冷却の強さを調整する冷蔵庫」や「洗濯物の重量により自動で水量を調整する洗濯機」などといった家電に始まり、プロの将棋棋士・囲碁棋士を打ち破るようなゲームをするものや、防犯カメラから不審人物を見つけるといった役割を果たすものまで、様々な所に登場します。
しかし、やっぱり「温度調整するだけ」というものと、「動画から犯罪者を自動検知する」ものでは、そのAIの”凄さ”が全然違う訳です。
これも時代の流れで、1980年頃であれば前者だって「素晴らしい人工知能の技術」だと認識されていました。
・・・が、今や「そんなものAIなんて呼べないよ!」という声が大半かと思います。
このような「どこからがAIなのか」のラインが時代により移り変わってゆく状態をAI効果と言ったりします。
さて、そんなわけで明確な定義が存在しないAIなのでありますが、その能力によって4段階に分類できるとされています。
こちらも研究者によって分類の仕方は変わってくる部分はあるのですが、以下のような4段階分類が2020年現在では広く知られています。
レベル1:シンプルな制御を行うもの
上記した「中の温度を察知して冷却の強さを変える冷蔵庫」などがここに位置します。
数個のif文、ないしは単純な関数で制御されるもので、現代人からするとあまり「人工知能」という感覚は持てない気がします。
とはいえ、人工知能の歴史はここから始まっており、全ての理論の根幹はこのレベル1の人工知能の元に成立しています。
レベル2:古典的な人工知能
レベル1よりも複雑な事ができますが、結局は大量のif文を用いていたり、巨大なデータベースから検索しているだけ・・・という人工知能です。
「Aと聞かれたらBと答える」という巨大なデータベースを持ち、あたかも会話しているように見せかける昔のチャットボットもこれに当たります。
迷路の解法を答えるものや、部屋の形によって動きを変えるお掃除ロボットなんかもここに含まれます。
基本的に「自ら学習する」といった機構は備えていません。
レベル3:機械学習を用いるもの
多くの「入力データ-出力データのペア」を用いて、その関連性をコンピュータに学習・判断させることにより、未知の入力データに対しての回答を推測してくれる仕組みを備えているものです。
ここからは現代でも「AI」を名乗って差し支えないでしょう。
レベル4:深層学習(ディープラーニング)を用いるもの
機械学習のひとつである「深層学習」を用いて動く人工知能です。
従来の機械学習では行えなかった「特徴量(入力データのどこが重要なのか)」の判断まで自動で行える機構を持ちます。
例えば「ある写真に写っている動物の種類を判別する」というタスクの場合、人間が猫の特徴、犬の特徴、、、を動物ごとに教え込むのは無理がある訳です。
そんな場合も、深層学習を使えば、人間はとりあえず動物の画像をいっぱい用意してやれば、コンピュータが勝手に特徴を抽出してくれます。
まとめ
以上のように、「一体何ができるのか」「どんな技術が使われるのか」によって、AIは4つのレベルに分類されます。
レベル1,2に属するものは今や「AI」とは呼ばれない事が多いですが、レベルの高い方が必ず優れている訳ではなく、タスクによってはレベル1,2の方が優れている場合もあります。
AIで何をしたいのかを適切に判断して、状況に合わせたAIのレベルを選択しましょう。